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※下にある質問をクリックすると、解答をご覧になれます。

目次

[銀行をその気にさせるために]
01 資料作り
02 数字で話をする
03 時間的余裕をもって申し込む
04 融資は常識で成り立つ
05 常に前向きな姿勢を示す
06 積極的な情報提供

[銀行を安心させるため

07 脱ドンブリ勘定
08 経理は身内でという考え
09 黒字と赤字

[銀行を選ぶ
10 脱一行取引主義
11 身の丈に合った銀行選び

銀行に嫌われないために
12 約束は守る
13 筋を通す
14 嘘をつかない
15 うらみ言は言わない

[銀行を見極める]
16 銀行の言いなりにならない
17 銀行担当者のノルマ
18 銀行担当者を見極める
19 銀行員の本質
20 融資能力のある担当者は少ない
21 自分の方から不利になることは言わない銀行員

[銀行から融資を受けにくい時代の付き合い方]
22 多弁な経営者と印象に残らない提出(報告)書類
23
銀行の融資取上げにおけるキーマンは誰か?

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テーマと内容

Q01
資料作り

A01 銀行との融資交渉をスムーズに進めるためには、企業側から簡潔で、しかもポイントをおさえた資料を迅速に提出することが欠かせません。

必要な資料はケース・バイ・ケースで異なりますが、主に以下のようなものです。
          ・決算書
          ・試算表
          ・資金繰り表
          ・銀行取引一覧表
          ・設備投資計画書
          ・担保不動産一覧表
          ・所有不動産一覧表(社長個人所有も含む)
          ・返済計画表
          ・業況説明書

簡単に作成できるものもあれば、少し知恵を絞らなければならないものもあります。
これらの資料のうちから、申込み内容に応じて必要なものを取り揃えて、銀行に提出します。

銀行の融資担当者は、顧客から融資の申込みがありますと、銀行内部で事前協議にかけ、ゴーサインがでますと稟議書を作成して、支店長ないし本部(審査部等)の承認をとります。
融資を受けられるか否かは、この稟議書作成→権限者の承認にかかっています。

融資稟議書の作成は、担当者の能力や熟練度によっても差があるのですが、けっこう時間がかかります。担当者の業務範囲は拡がる一方で超多忙な現在、担当者の本音としましては、手間ひまをかけずに稟議書作成を済ませたいところです。

そこで
企業側からタイミングよく必要な資料が入手できますと、担当者の仕事がはかどり、承認を得るまでの一連の流れがスムーズに運びます。逆に、銀行から要請された資料がなかなか提出されずにいますと、稟議書の作成が進まず、担当者のやる気も薄れてきます。最悪の場合、途中で融資のお断りという事態にもなりかねません。


資料提出の良い例と悪い例を次に紹介します。

良い例 ~ A社
メイン行が破たんしたため、その肩代わりを他の取引銀行と新たに政府系金融機関に分散して申込みました。政府系金融機関には新規の申込みとなるため、提出要請資料は多大なものとなりました。

また担当者の稟議書作成途中や、金融機関内部の協議の結果、問題点をクリアーするため随時求められた資料も、タイミングよく迅速に作成して提出したため、金融機関の心証も良く、結果的に当初の目的を達成することができました。

悪い例 ~ B社
知人から取引銀行の紹介をうけ、新規取引を開始するべく要請された資料を何とか取り揃えて応えていきましたが、最終的に当面の資金繰り表が提出されませんでした。

銀行サイドとしましては、取引先の紹介でもあるので、結論を早く出そうと対応に心がけましたが、数回の催促にもかかわらず、肝心な資料が提出されないとあってはどうしようもなく、結果的にその話は立ち消えとなってしまいました。


銀行の融資担当者は、多数の担当先を抱えています。有能な担当者は手配師のごとく、当面の融資申込みを見越して、各企業に必要資料をタイミングよく作成、提出してくれるよう要請します。

企業がそれに応えてくれますと、担当者としましては能率よく仕事を進めることができて、有難いものです。したがって、
そういうお客様には好感を持ち、力が入ります。

先の事例のような資料作成の成否は、
自社の作成能力が大きな決め手になります。自社の能力を見極めて、場合によっては、専門家への依頼も検討に値するのではないでしょうか。

                                                                                                             ↑質問に戻る


Q02 数字で話をする

A02 融資の申込みを受けた銀行の融資担当者が、決裁権限者の承認を得るために作成する内部書類を稟議書といいます。
この書類は、融資実行の主要な条件(金額・金利・実行予定日・返済方法・担保取入条件など)を記したものと、融資先の企業内容・業況等を説明したものからなっています。

当然のことながら、これらの書類はすべて数字をベースにして、明瞭かつ具体的に記載されることになっており、また融資案件に関してなされる支店と本部(審査部)のやりとりおいても数字がベースになっています。

すなわち書類上であっても、また口頭による説明であっても、
アバウトな表現や文学的な表現を避けてとにかく数字でもの申せということになっています。

銀行内部の決まりが以上のようになっていますので、銀行が顧客に求めることも同様です。

よくある例ですが、企業経営者が銀行の担当者に今後の事業展開を説明する際、得意気に将来のプランや構想をとうとうと喋って、その中に「かなりの金額になる」「けっこう大きな金額になる」「そこそこ伸びる」というような表現が入っていることがあります。

これでは、銀行の担当者としましては具体的なイメージが描けず、考えがまとまりません。

したがって、企業が銀行に対して融資申込みをしたり、自社情報を提供したりする際には、
自社の現状や計画を数字によって明確に表現する
不明瞭な表現によって双方の認識に不一致を招き、トラブルが発生することがないように出来うるかぎり数字で具体的に表現する
というような対処の仕方が必要です。

数字で表現できないものはやむを得ませんが、それ以外は企業内部で検討して煮詰めた上で銀行に提示するように努めてください。

                                                                                                             ↑質問に戻る


Q03 時間的余裕をもって申込む

A03 銀行に新たな融資を申込む場合、あるいは現在借入している融資の返済方法の変更(リスケジュールと言います)を依頼する場合も同じですが、いずれも充分な時間的余裕をもって銀行に申込むことが必要です。

と申しますのは、金融環境が激変している今日、銀行側の事情や自社の信用状態の変化もあって、
銀行取引におけるかつての感覚では通用しない点が多々あるからです。

例えば、「長年面倒をみてもらっているメイン行だから」「毎年決まった時期に融資してもらっている季節資金だから」等々で、こういったかつての馴れ合い精神や、あうんの呼吸をあてにした銀行への融資申込みや条件変更の依頼は、注意が必要です。

新たな資金調達の場合、「あの銀行なら今までの経緯から考えて、今回の融資申込みもきっと大丈夫だ」と勝手に確信して、それが駄目だった場合、次の対策をどうするかを全く考えないのは非常に危険です。

申込んだ銀行に断られてから次の調達策を考えたのでは、あせりも手伝い対策が場当たり的になり、時間的な制約から選択肢も限られてきます。

また、現在借入中の融資の返済方法を変更してもらう場合も、よくあるのは資金繰り状態がどうしようもないギリギリ状態になって、はじめて銀行に話をするという例です。経営者の方が、それだけ律儀なのだと思いますが、これも非常に危険です。

何故かと申しますと、銀行が応じてくれなければ、破たんの一歩手前まで資金繰り状態が悪化しているからです。

返済方法の変更につきましては、銀行はすんなりとは応じてくれません。けっこう交渉に時間を要しますので注意が必要です。


返済方法変更依頼の事例 ~ C社
場当たり的な資金調達が災いし、借入本数が増加しているところへ業況面の低下が影響して、資金繰り状態はかなり逼迫していました。

ところが社長には相談できる人もなく、悶々と悩む日々が続いたのですが、知人のつてで返済方法変更のアドバイスを受け、思い切って銀行に申込みをした結果、間一髪のところでOKとなり、大事に至らずにすみました。


新たな融資の申込み、あるいは返済方法変更の依頼のいずれにしましても、銀行への申込みにつきましては、
 ・
二の手、三の手の善後策を予め立てておくこと (ストーリーを描く能力)
 ・
自社の業況や資金繰り状態について、当面どうなるかを予測すること (先読み能力)
が必要です。

くれぐれも駆け込み等の行動に至ることのないように、充分注意してください。

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Q04 融資は常識で成り立つ

A04 私が銀行に勤務していた頃のことですが、融資申込みをチェックする際、常に心がけていたことに次のようなものがあります。

 ○いつ必要か                →借入希望日
 ○いくら必要か                →借入申込金額
 ○何に使うのか               →資金の使いみち(運転資金か設備資金か)
                           具体的にその内容はどのようなものか
 ○どのようにして返済してもらうのか
    →返済原資は何か(売上金あるいは利益等
  ○返済期間はどのくらいか

大事なポイントは上記項目間の整合性、つまり辻つまが合うかどうかということです。どう考えても不自然だと思うものは、追求していきます。そうすると、実態が浮かび上がってくるものです。


事例 1
(申込み内容)
機会設備の購入代金として申込みがありましたが、返済年数の希望が15年でした。

(実態)
ふつう、機会設備の償却年数は7年程度であり、申込みの15年は長すぎます。

実態は、社長の自宅建築資金として必要なものでした。


事例 2
(申込み内容)
賞与資金として申込みがありましたが、申込金額が過去の実績よりかなり大きく、また返済年数の希望も1年でした。

(実態)
賞与は、ふつう年2回支給で、賞与資金の借入返済期間は6ヶ月とし、次回の支給までに返済を完了させるものです。


実態は、賞与以外に必要な資金も含まれて申込みされていました。


企業サイドからすれば、とにかく借りられたらよいとか、
少しでも多く借りたい、あるいは返済を楽にしておきたいなどの考えから、資金使途を偽ったり、返済期間を長めに申込まれるケースがあります。

しかし銀行サイドに立ちますと、こういった実態と異なる融資申込みを見過ごして実行してしまいますと、後々、
返済金の延滞等の事故・トラブルの元となってしまいます。

企業としましては、融資申込みをする際、本当に必要な金額あるいは本当の資金の使いみち等の
借入希望条件を、ごまかさずに率直に申し出るべきです。

その上で、銀行側との調整を最大限図るようにするのが、最善の方策だと思います。

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Q05 常に前向きな姿勢を示す

A05 新たな融資の申込みや返済条件の変更依頼の際、また決算報告時に銀行から求められるものに、自社の今後の業況見通しとか経営改善計画があります。

これは
銀行にとって最大の関心事が、今後この企業はどうなっていくのか、貸せる先なのか否か、ということにあるからです。

とは言われるものの、企業サイドの思いとしましては、「業況好転の見通しはまったく立たない」「先行き何も好材料がない」「コスト削減も出来うるかぎりのことは既にやっている、ないないづくしだ」、そして出てくる答えが、「良くて横ばい、まあとにかく頑張ります」という悲観的な見通しになりがちです。

しかし、企業からこういった後向きな見通ししか得られないと、銀行の担当者としましては、何とかその企業を支援しようと思っていても、絵の描きようがなく、事態は前に進みません。

そこで、
自社の強みや特長にもう一度目を向けてほしいと思います。長年その業界で生きてこられたというだけでも他社より際立つ何かがあるはずです。

例えば
 ・品質と納期では他社をしのぐものがあり、競合に打ち勝っている
 ・得意先のいかようなニーズにも応えられる、他社には無い、ふところの深い生産能力がある
 ・目ぼしい資産はないが、優良な得意先をもっている
というようなものです。

こういった自社の持ち味をもう一度見直した上で、全くのでたらめ、絵に描いた餅では困りますが、不安定であっても
前向きな精一杯の努力要素やネタも含めて、今後の業況見通しを立ててみることが大切です。

そして、それらの施策を実行した結果、仮に業績が思ったほど上向かなくても、それは嘘をついたことにはなりません。

要は常に前向きで、着実に伸びようとする企業姿勢を銀行に示すことです。

銀行としましても、
企業サイドのこういった明るい展望が得られてこそ、何とか支援しようという気になるものです。

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Q06 積極的な情報開示

A06 銀行取引を長くやっていらっしゃる方はお気づきかもしれませんが、銀行の担当者が自社を訪問してくる頻度は、以前と比べると激減しています。

その理由は
・銀行の店舗の統廃合やリストラで人員が減り、担当者一人当たりの担当顧客数が大幅に増加しいる

・自己査定や信用格付けといった膨大な事務作業に忙殺されている
というような事情があって、決して手抜きをしているのではなく、超多忙のためです。

私が銀行の担当者をしていた頃は、融資先をこまめに訪問して、その企業の業況把握や情報収集をすることができました。

そして、そうした顧客管理をすると同時に何かセールスチャンスはないかと狙っていたものでした。

しかし現在の銀行担当者には、そういった訪問管理を望んでも出来ない体制になっているのです。


それでは、以上のような現在の銀行担当者の訪問体制に対して、企業サイドとしてどう対処していけばよいでしょうか。

まず
自社をよく知ってもらうための、こちらからの積極的な情報提供が必要です。

担当者の訪問が期待できない以上、当方からこまめに支店に出向くことです。しかも、その際の情報伝達手段は口頭ではダメで、
文書で提出することがポイントです。

先に述べましたように、担当者は多忙です。そういう人にいくら良い自社情報を話しても、その場かぎりで終わってしまうでしょう。担当者は忘れてしまいます。

しかし文書であれば残ります。提出する側としましては少々面倒ですが、後々これが生きてきます。
文章を提出されますと、受取った側はゴミではありませんから、まず捨てません。

ふつうは自社の
稟議書ファイルに綴り込まれるでしょう。そして後日、融資申込みがされて稟議書を作成する際、自社情報であるその文書が役立つのです。

銀行は書類主義です。大事なことは文書にして渡しましょう。

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Q07 脱ドンブリ勘定

A07 銀行が融資先の業況を把握する上で、一番やっかいで困るのは、特に個人の自営業で白色申告の先に多いのですが、営業の実態と税務申告書との間にどう考えてもかい離があり、営業実態の数字が確認できないことです。

営業実態を帳簿等で確認できればよいのですが、それすら存在しないというような先があります。

また法人企業でも、一応決算書の様式はなしているものの、
社長個人の公私混同により、決算書の内容が歪められているものがあります。

銀行で融資に携わっている人がこういった決算書をみれば一目瞭然です。

公私混同も一時的、かつ常識の範囲内のものであれば容認されるものもあるでしょうが、それを超えたものは問題外です。

さらに、法人・個人を問わず、こういった企業から提出される資料関係について申しますと、終始一貫していない傾向がみられます。

例えば、
同じ売上高でも試算表と資金繰り表では一致していないというようなものです。

これでは、当企業への信頼感は薄らぐばかりです。

逆に、個人の自営業であっても、きちっとした青色申告の決算書類が提出されますと、融資担当者としましては、正直なところ、それだけで安心感を持ち、この先は大丈夫だという気持ちにもなって、融資案件を銀行内部で通す自信にもつながります。

以上のように、法人・個人を問わず企業としての会計・経理の記録が、
公私混同により歪められることもなく、真実性をもってなされていることが、銀行との融資取引を円滑に進める上で、最低限必要かつ重要なポイントとなります。

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Q08 経理は身内でという考え

A08 中小零細企業に多い例ですが、経理担当者は外部から人を雇わず、社長夫人やその娘さんといった身内で固めるケースが目立ちます。

その理由は、
 ・経理はお金を直接扱う部署であり、他人に任すのは不安だ
 ・会社および社長個人の懐具合を、外部の人間に知られるのは嫌だ

といったようなものです


旧き良き時代は、この体制、すなわち日々の取引記録を中心とした、いわゆる帳簿つけを行ない後は会計事務所に依存する、ということで充分やってこれましたし、それが家族経営の象徴的な姿でもあったように思います。

しかし金融環境が激変した今日、この旧態依然とした経理体制を続けることは非常に問題です。その理由は、銀行対応を含めた資金繰りの難しさにあります。

旧き良き時代は売上・利益ともに順調に拡大し、資金繰り面の苦労もさほどありませんでした。

銀行からの支援もふつうに経営を行なっていれば可能でしたし、融資申込みに際して必要な資料は、銀行担当者がヒアリングして作成してくれました。

企業が提出するものといっても、簡単なメモ程度で済んだ場合もありました。

しかし現在は、大半の中小零細企業においては依然として売上・利益ともに苦境の時代で、
資金繰り面の苦労の大変さは過去の比ではありません。

銀行対応も、過去の延長線上で考えられない課題が次々とでてきています。

例えば、債務者区分、信用格付け、自己査定等で企業はこれらに対応していかなければなりません。

中小零細企業では、資金繰りや銀行交渉は社長の手に委ねられるウエイトが大きいと思いますが、
旧態依然の経理体制ではそれをバックアップしていくのに無理があるのではないでしょうか。


良い事例 ~ D社
長年経理担当者は、取引銀行より出向の形で受け入れて、身内では賄ってきませんでした。

そのせいばかりではありませんが、銀行対応はスムーズに運んでいます。

また経理事務も早くからIT化を進めていて、月次の業績把握もスピーディーに行なわれています。


悪い事例 ~ E社
長年経理担当者は、社長夫人がやってきました。その社長夫人が最近引退し、息子の嫁に担当を引き継いだのですが、この嫁は、これまで専業主婦として長年過ごしてきました。

したがって、急に会社の経理をやるように言われても能力面のギャップが大きく、職責を果たすに至っていません。銀行対応はおろか、事務体制にも乱れが生じている状態です。


今回のテーマは、
社長の認識一つにかかっています。

D社社長は従来から経理重視の考えを持っていて、自身も若い頃独学で財務を勉強されたとのことです。
一方、E社社長は、「とにかく売ればよい」主義の営業一辺倒で、経理・財務には関心が薄いタイプの人です。

こういったタイプの社長の考えにもとづく経理体制では、銀行対応に万全を期すことは到底できず、資金繰りに支障をきたすことになりかねません。社長の頭の切り換えを強く望むところです。

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Q09 黒字と赤字

A09 企業の成績表である決算書を銀行勤務時代より沢山みてきましたが、決算書を時系列に並べてみますと、小額の黒字(税引後当期純利益が、1百万円前後)がずっと続いている企業があります。

中小企業の約7割以上が赤字の現在、表面上の数字だけを信じていえば、こういった企業は貴重な存在だといえるでしょうし、抜群の管理能力をもっている企業だと感心もされるでしょう。

しかし、銀行員はそうはみません。「そんなに毎期似たような数字が並ぶわけがないだろう」「どのような調整をしているのだろう、実態は赤字だろうな、その程度はどれ位だろう」というようなことを考えます。

銀行では企業から決算書が提出されますと、様々な観点から分析します。例えば、決算書3期分の計数をコンピューターに入力しますと、3期分の分析結果がアウトプットされます。

それには粉飾の可能性を探る項目もあります。「
キャッシュは嘘をつかない」とよく言われますが、粉飾をしますと、どこかに必ず歪みがでてきます

また、計数間の比率分析結果を業界平均値と比較することで異常値が目立ち、これを追求することによって実態に迫れるケースもあります。

粉飾決算を毎期続けている企業に対しては、はたして社長は実態の数字(赤字の程度や債務超過に陥っていないか等)を把握しているのだろうかと危惧します。

充分に把握されていないと大事に至るケースがあるからです。

いま思いつくだけでも、事例として2社が思い浮かびます。最終的に1社は夜逃げをし、もう1社は自己破産しました。

銀行との融資取引において
決算書が重視される現在では、融資先企業が黒字であるか赤字であるかには大きな差があり、銀行の対応も大きく異なってきます

もっとも同じ赤字でも特殊要因にもとづく一過性のものと、赤字体質に陥った慢性的なものとでは意味合いが異なります。
問題は、その企業が慢性的赤字体質である場合です。

赤字体質からの脱出といっても、そう簡単でないのは重々わかりますが、これなくして銀行からの支援は期待できません。

合法的なありとあらゆる方策を全社的に見直して、その結果を経営改善計画書としてまとめ、銀行に提出しなければなりません。

その際注意しなければならないのは、いろいろな項目を検討していくと、一つ一つは「この程度の改善しかできないか」とさほど効果が見込めないケースもあるでしょうが、要はそれの積み上げです。

今の世の中、一発逆転など期待できません。

安易に実態を取り繕うことなく、全社をあげて全力で取り組めば、その熱意は銀行にも伝わり、道は拓けていくものと確信します。

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Q10 脱一行取引主義

A10 取引銀行の数は、主として企業規模によって異なり、また多ければ多いほど良いというものでもありません。

しかし現在の金融環境下、
一行取引はお勧めできません。逆に申しますと、複数行との取引があれば有利な点もあります。具体的に述べますと、次のようになります。

(一行取引の場合) 資金調達面で支障がでる可能性がある
一行取引の場合、融資申込みをして、その銀行に断られると、銀行以外で調達先や調達方法を考えなければなりません。

また銀行自体の信用不安の問題もあって、取引行が万一破たんともなれば、他に取引銀行がないため、資金調達に支障がでてきます。

(複数行取引の場合) 債務者区分で有利になるケースがある
例えば、取引している銀行の債務者区分が要注意先であっても、銀行が違えば正常先とみなされるケースがあります。

したがって、複数の取引行を持っておくことによって、ある銀行からは厳しい融資条件を強いられることなく、取引が続行できる場合があります。

(複数行取引の場合) 融資条件の比較ができる
複数行と取引があれば、金利や担保等の融資条件を比較することができ、自社にとって有利になるように取引が展開できます。

一行取引をしている企業サイドの考えとして、「ウチはXX銀行さんとは長年一行取引で面倒をみてもらってきたので、今後も大丈夫だろう」といったものがありますが、こういった楽観視は非常に危険です。


事例1 ~ F社
当社社長は取引している銀行に、「ウチは、おたく一本に決めている、浮気はしない」とよく言っていました。

そこで、社長に取引銀行を増やすようアドバイスをした結果、その社長は行動に移しはしたのですが、本気になっていなかったため、ある信金との付き合い程度の取引に終わってしまい、抜本的な改善につながりませんでした。


事例2 ~ G社
割引手形が特定の支払人に集中するため、取引行から手形分散するように言われていたのですが、一行取引であるため、分散ができず苦労されていました。

その社長に取引銀行を増やすようアドバイスしたのですが、社長は即行動せず、自社の破たん間際になって、やっとある銀行と新規取引が始まりました。

しかし、時すでに遅しでした。


もし貴社が一行取引であるのでしたら、
業況や財務状態が正常なうちに複数取引を始めるべく、新たな銀行をみつけるよう行動されることをお勧めします。

業況が悪化して、現在の取引行に相手にされなくなってからでは時すでに遅しで、どこの銀行も同様に取り合ってはくれません。

新しい銀行との取引は、自社の業況や現在の取引行との取引状況等で異なってくるのですが、必ずしも預金から始める必要はありません。

融資条件が民間の銀行より有利な点が多い政府系金融機関も含めて、至急に検討されるべきだと思います。

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Q11 身の丈に合った銀行選び

A11 自社にとって現在取引している銀行は、はたして最適だろうか、あるいは自社にとって最適な銀行とは一体どういう機関なのかを検討する上で留意すべき点をあげますと、次のようなことがいえます。

・見栄を張り世間体を気にして、著名なメガバンクのブランドに憧れるという、意味のないブランド 志向 に陥らないこと

自社の企業規模を考え、身の丈に合った銀行選びを心がけること


事例 ~ H社
当社は中小メーカーで、長年地銀(F行)をメイン行としてきました。

そこへ有力得意先の紹介で、ある都銀(S行)が「メイン行であるF行さんの肩代わりをしましょう」と猛烈に攻勢をかけてきました。

当社社長は「私が今F行へ行けば、応接室へ通されお茶の一杯もでるが、S行と取引が開始され、あの支店へ行ったらどうだろうか。

あの大きな支店の取引先の中では、当社なんてケシ粒ほどの存在だろうし、F行と同じような応対がされるだろうか」と躊躇しましたが、「まあ有力得意先の紹介でもあるし、一度メニュー(提案)を出してもらおうか」ということになり、S行とのやり取りが始まりました。

膨大な資料の提出と、かなりの時間が費やされた結果、でてきたS行の結論は「F行の貸金・預金と担保物件をそっくりそのまま受け入れます。

ただし担保不足を補うため、社長個人の預金を担保に差入れていただきたい」というものでした。

それを聞いた当社社長はがく然としました。

その心情は、「S行といえどもその程度のものか、融資条件がF行よりも悪化するし、ましてやそれが個人預金を担保に差入れるとあってはプライドが許さない」というものでした。

上記の事例から言えることは、外面上の応対云々ではなく、その銀行の
全取引先の中で自社はどういう位置づけをされているか、あるいは今後されるかを重点的に考えて、より有利な資金調達に結びつけることです。

また
政府系金融機関(国金、中小公庫、商工中金、信用保証協会等)につきましては、優先的に利用を心がけるべきです。

これら政府系機関の役割は民間銀行の補完にありますが、融資条件では有利な点が多くメリット大です。

最後に、今回述べてきました
銀行選びの前提条件は、自社の業況や財務状態が正常であるということです。

それらが悪化していますと、銀行選びどころではなくなり、現状に甘んじざるをえなくなります。

くれぐれも業績アップ、財務改善に向けての努力を怠りなく。


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Q12 約束は守る

A12 約束を守るということは、人間社会においてはごく当たり前のことですが、銀行との融資取引におきましても、それは極めて重要な意味をもっています。

と申しますのは銀行サイドに立ちますと、新たに融資を実行する際、あるいは融資を継続するについては、相手方である企業の信用力が最大の決め手になります。

しかし、
約束を守らないといういい加減さは、その信用力を揺るがすことになるからです。

では、銀行との融資取引において、約束事として守らなければならないものには、どのようなものがあるのか、以下にごく一例を示しておきます。

○期日
 ・短期借入金の返済期日
 ・長期借入金の毎月の約定返済日

○随時求められる資料の提出日
  自社情報について資料を作成し、いついつまでに提出しますと約束した日

○面接日時
  当方から銀行に出向く、あるいは銀行から来社・訪問される日時

銀行との融資取引で、たまに見かける例としてあるのは、融資実行までは銀行とのやりとりに律儀に、また小まめに対応するのですが、借入してしまった後はいい加減になる、いわゆる「喉もと過ぎれば熱さを忘れる」というものです。

また約束は守って当たり前なのですが、不測の事態ややむなき理由によって、約束が守れないという状況も発生します。

その際、どういった対処の仕方をしたかで、評価が分かれてきます。

例えば、やむを得ない理由があって融資金の返済が毎月の約定日に間に合わない、そして返済できる目途がすぐに立たないというような場合ですが、良い例と悪い例を示しておきます。

良い例
「こういう理由があって、今月は返済できません。今、自社で急ぎ対策をつめています。まとまったら、ご相談に伺います」と前もって銀行に連絡をして、行動に移す企業。

悪い例
事前どころか約定日以後も、銀行へ何の連絡もせず、放置したままの企業


約束を守らない企業は、銀行の書類に記録が残ります。

いい加減な対応をしていると、後日それがものをいってくることになります。

銀行としましては、
約束をきちっと守る企業には好意的になり、何とか支援したいと思うものです。

当たり前のことがなかなか守れないのが世の常ですが、充分注意したいところです。

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Q13 筋を通す

A13 「銀行員の本質」の頁でも述べておりますが、銀行というところは組織を重んじますので、自社の担当者の顔を立てるべきところは立てるということが大切です。

融資案件の話も順序を踏んで、まず担当者に話をするべきです。

その上で、担当者では荷が重そうであれば、その上司にということになりますが、何でもかでも担当者を跳び越えて上司へというのは考えものです。

これでは担当者の立場になりますと、「自分は無視されている、面白くない。あの会社の言うことなんか二度と聞くものか」ということになり、その企業に対してはソッポを向いてしまいます。

以上のような対応を担当者個人にではなく、銀行自体に対して行なった場合も同様です。

どういうことかと申しますと、具体例を示します。

I 社の例
I社はメイン行である信金に、保証協会付の借入が数本ありました(信金の規模では大きい金額の借入です)


資金繰りが悪化してきて対策を検討したところ、その保証協会付融資のリスケジュール(返済方法の変更)を思い立ちました。


そして借入をしている信金を通さず、ある有力者を介して保証協会に直接交渉し、返済条件変更の承諾を得ました。

保証協会からは信金へその旨の通知がなされ、一定期間利息支払いのみの、元本返済の据え置きが実行されました。


この事例の問題点は、I社が保証協会へのリスケ申請を行なう際、借入をしている信金を全く無視したことです。

この際に、その信金とは縁を切ってしまおうという意思なり理由があれば別ですが、手順としては、まず借入をしている信金に相談するべく話を持ち込むべきでした。


その結果、信金が拒否したのであれば、「それでは保証協会に直接申請してみます」と次の行動を起こせばよかったのです。

推測しますと、その信金では寝耳に水の話で、また金額も大きかったので、担当者やその上司は支店トップから「君達は何を管理しているんだ」と叱責されたのではないかと思います。

彼らにしてみれば、不意打ちを喰らった非常に気分の悪い話で、うらみ言の一つも言いたい心境ではなかったかと思います。


こうしたことは後々の取引展開に影響するもので、事実I社とその信金との取引は、その後窮屈なものへとなっていきました

以上より、銀行との融資取引においては、担当者個人また銀行自体に対しても、その後の長い取引を想定して結論のみを性急に求めず、筋を通すべきところは通すということが大切です。

長い目でみますと、
踏むべき手順を踏まずに得られた結果は、先々悪影響を及ぼす要因を含んでいるといえます。「急がば廻れ」です。

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Q14 嘘をつかない

A14 融資にかかわることで、銀行内部において嘘をつくということに「稟議書の不実記載」というものがあります。

どういうことかと申しますと、顧客から融資の申込みを受けた銀行の担当者が、権限者の承認を得るために作成する稟議書に、その融資案件を何としても通したいがために、その場しのぎの真実でないことを記載することです。

担当者としましては、稟議書上で顧客に対する印象を少しでも良くしたいとの一心なのでしょうが、やはり根本的に認識まちがいをおこしていると言わざるを得ません。

顧客と銀行との関係がそうであるように、銀行という組織内部における上司と部下は信頼関係で結ばれています。

したがって、真実をゆがめて上司や本部に稟議申請するそういう行為は、上司や権限者の判断を狂わす、組織に対する裏切り行為です。

その場しのぎの真実でないことを記載しても、後々いつかは辻つまが合わなくなってきます。

ましてや、それが事故につながる原因ともなれば、非常に罪深い行為となります。


一方、
顧客である企業と銀行との間にも嘘というものがあります


一つの例をあげます。

銀行に嘘をついた企業の例 ~ J社
工事業を営むJ社は、決算書を3通作成していました。すなわち、税務署提出用、官庁提出用、そして銀行提出用です。

ある時、銀行本部(審査部)を通じてそれが発覚しました。支店における取引先の中で同社のランクは上位であったため、関係者のショックは大きく、同社に対する信頼感が一挙に崩れたのは言うまでもありません。

その後、同社はかつての信頼感を回復するのに長い年月を要するのですが、
一度そうした信頼感を損なう行為がありますと、それを挽回するのは容易なことではありません

銀行というところは上司も部下も次々と替わっていくのですが、銀行は書類主義ですので、そうした事実があったことは記録として残ります。

したがって、長い年月が経ってからでも折にふれ、同社はそういう目で見られることになりました。


よく似ているようですが、これは嘘とは言わないものがあります。

それは、企業が銀行に対して提出する「経営改善計画書」に記載する、将来の計画・見通しについてです。

計画書には作成時点での前向きで、かつ努力要素としてのネタも織り込んで、具体的根拠にもとづいて計数を掲げます。

そして後日実績がでて、その計画と比較した際に乖離がでたとします。

しかし、たとえ、その乖離幅が大きくとも、
企業が計画に沿って真摯に努力した結果であるのならば、これは嘘とは言えません

しかし最初から努力する気もなく、その場を取り繕うための、まやかしの計画書であったのであれば、これは嘘です。

結果は同じ乖離幅であったとしても、まったく意味合いは異なったものなのです。

くれぐれも勘違いのないように留意してください。


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Q15 うらみ言は言わない

A15 銀行と融資取引をしている企業の中に、「当社が過去に借入し、現在重荷となっているこの融資は貴行のせいだ」と、折にふれ銀行にうらみ言や悔み言をいう経営者がいます。

その例を1社紹介します。

K社の例
バブル期に株購入資金をある銀行から借入し、一時はよい思いをしたのですが、欲を出しすぎたためその後塩漬け状態となり、長い期間その借入金を引っ張らざるを得なくなりました。

当社社長は折にふれ、その借入をした銀行に対して、「あの株は貴行から積極的に勧められたので、自分にはその気はなかったが、やむなく買った」とか「今では大幅に値下がりして、大きな評価損を抱えてしまい、返済の目途も立たない。毎月の支払金利負担で大変だ」というようなうらみ言や自分自身への悔み言を言うのでした。

本人にしてみれば、そうすることで気を晴らすつもりだったのではないかと思います。


以上のような例は、世間にはいやというほどあると思いますが、要は借入をしたのはあくまで
自己責任で、その後もろもろの情勢が悪化してその融資が重荷になったとしても、うらみ言や悔み言を言うべきではありません。

それを聞かされた銀行員から、「
この人はこの程度の人物か」と思われるのが関の山です。

また後々まったく別の件で、その企業から融資の申込みがあったとしても、正直なところ銀行としては乗り気になれないと思います。

と申しますのは、将来また同じようなことがあるのではないかと、危惧の念を抱くからです。

くれぐれもご注意ください。

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Q16 銀行の言いなりにならない

A16 銀行との融資取引においては、金利・担保・保証人等の融資条件の取り決めや、変更があります。

これら融資条件の他に、預金や銀行の収益項目(外国為替・手数料等)など融資に付帯するものも含めて、銀行からこうして欲しいと要求があると、何でもかでも受け入れる企業があります。

何故そうなるかを考えてみますと、次のようなことが考えられます。

■追加担保や追加保証人を要求された際、担保に差し出す物件がない、あるいは保証人になってもらう人がいない等、物理的にどうしようもない場合は断らざるを得ないのですが、そうでなければ、何とか銀行からの要求を満たそうと考えます。

拒否すると、今後融資をしてくれなくなるのではないかという意識が働くからです。
.
■これは一行取引の先に多いのですが、銀行からの要求が妥当なものかどうかを比較する基準がないため、さらには企業独自の判断基準もないためです。

■その企業の社長の性格的なもので、人が好いとか厳しさに欠けるといったことが影響している場合があります。


*
銀行の言いなりにならなかった良い例 ~ L社
都銀1行・地銀1行の取引で、シェアはほぼ同じ。社長は商売にシビアーで、当然借入金利にもシビアーでした。

両行を比較し、双方にけん制球を投げて巧みにリードしていました。

ある時、地銀に設備資金の申込みをしましたが、当初その地銀から提示された金利を拒否し、「都銀S行に今回の計画を話したら、このレートでやると言ってきた」と再考を促し、その結果、地銀に特別対応をさせました。

銀行の言いなりになっていた悪い例 ~ M社
実質上信金1行の取引。信金であることを考慮しても金利は高めで、その上に資金繰りは楽でないのに積立預金を目一杯入らされ、なお且つそれが満期になると、担当者から言われるままに定期預金にしていました。

そうして積み上がった預金はそこそこの金額になっていて、融資金との相殺ができれば支払金利負担も軽くなるので、抜本的な取引見直しを提案し、信金にその旨を申し入れるようにアドバイスしました。


銀行サイドに立ちますと、顧客に厳しい融資条件を提示したり改善を促す、あるいは様々な付帯項目の要求をするのは、それなりの事情があるからです。

しかし、
身勝手なものも多々あります

それに対処していく企業側としましては、現在の金融情勢や銀行の置かれている立場などを、自社を守るという意味から勉強しなければなりません。

そして、自社にとって不利益となる銀行からの要求はシビアーに検討した上、円滑な融資取引を継続することを前提に、
受け入れざるを得ないものと断固として拒否するものを選別していかなければなりません。

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Q17 銀行担当者のノルマ

A17 銀行の担当者には、様々な営業推進項目がノルマとして課されています。(銀行内部ではこれをノルマとは言わず、目標と呼んでいます)

では具体的にどのようなノルマがあるのか、主だったものを拾い上げてみますと、次のようなものがあります。

     ・個人預金           ・クレジットカード
     ・投資信託           ・WEBバンキング
     ・生命保険           ・保証協会付融資
     ・銀行決算月(3月、9月)の預金・貸金の積上げ

折にふれ、銀行の担当者からこれらのノルマを消化するための協力要請があるわけですが、この要請を受けた企業側のスタンスとしましては、
ギブアンドテイクの精神で自社にとって大きな不利益あるいは無駄ではないと判断されるものは、出来うるかぎり協力するように心がければよいと思います。

と申しますのは、銀行の担当者も人の子であり、苦しいノルマの消化を助けてもらえば恩義を感じるものですが、これが後々に生きてくるのです。

すなわち、今度は顧客である企業から融資の申込みや様々な依頼があった際、ギブアンドテイクの精神を持ち合わせている人間なら、今度は自分が何とか顧客の力になろうと思うからです。

ここで注意すべき点は、担当者からの要請に対しての協力度合いですが、それが両極端に陥らないことです。

具体的に述べますと、次のようなことです。

○要求を総て受入れる
何でもかでも受入れていると、担当者にすれば「あそこへ行けば何でも言うことを聞いてくれる」という気持ちになります。

悪く言えば、なめられているということでノルマのはけ口として軽くみられます。

○要求を全て拒否する
担当者からみますと、こういった先は、うまみ・面白みのない堅いお客です。

したがって本音としましては、いざという時に力が入らないということになります。


銀行に融資の申込みをしますと、順調に話が進んだ場合、担当者が稟議書を作成し権限者の承認を得るために上司や本部に対して、企業サイドに立って説明や説得に努めます。

その際に、ギブアンドテイクの精神で今回のテーマである担当者のノルマに対して程々に付き合っていますと、
担当者をその気にさせる一手段となることは確かだと思います。

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Q18 銀行担当者を見極める

A18 銀行の担当者は早くて1年、長くて5年、平均して2~3年で転勤していきますが、長年銀行取引をしていますと、様々なタイプの担当者に出くわします。

問題は、自社にとって良くない担当者に出会った場合です。

例えば
     ・若年で、はじめて営業(融資)担当者になった新人
     ・ベテランであるが嫌味たらしく、ねばねば感のある人
     ・一流大学出のエリート官僚タイプで、暖かい人間味が感じられない人

このようなタイプの人が自社の担当者になった場合、どう対処していけばよいでしょうか。

結論を申し上げますと、銀行の担当者がどのようなレベル・タイプであっても、その人が銀行の窓口である以上、
コミュニケーションは必要であり避けてはいけないということです。

当方が「あの担当者は嫌いだ、いやだ」と思うようになりますと、相手も同様の思いを自社に対して抱くようになります。

銀行の担当者を敵にまわしてしまうようになりますと、自社にとって何ら得になることはありません

勢いあまって「うちの担当者を他の人と交代させてくれ」と銀行に申し入れても、銀行は「はい、わかりました」とすんなり受入れてはくれません。

そういう場合の銀行側の対処の仕方は、上司がその担当者と同行訪問を何回かしてきて、企業側と人間関係の再構築を図るなど様々なフォロー、教育を行ないます。

そして、何とかその担当者を企業に受入れてもらえるように努めます。

担当者が新人の場合は、経験不足から当方からの申し出内容によっては荷が重く、大丈夫かなと思われるケースがあります。

またそれは新人に限らず、ベテランであっても転勤してきて日が浅く、自社の内容を充分把握してもらっていない場合も同様です。

そういった時は
当方から銀行に出向いて、担当者の上司にフォローしてもらうよう依頼する必要があります。

担当者には伝えた、あとは待つしかないとじっとしていますと、担当者がそういったレベルの場合、タイミングを失することになり、大事に至らないとも限りません。

銀行の担当者は、担当年数の長短はあっても、どんどん交代していきます。

企業サイドとしましては
我慢すべきところは我慢して、銀行の窓口である担当者に対して自社の情報を正しく伝えて、万全の支援態勢をとってもらえるよう努力することが大切です。

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Q19 銀行員の本質

A19 銀行の人事評価は、はっきり言って減点主義です。

バブル全盛の頃、「向こう傷は問わない」という某都銀トップの言葉が一時もてはやされたことがありましたが、これは例外です。


したがって銀行員の意識は一般的に申しますと、「下手なことはしたくない、危ない橋は渡りたくない、傷つきたくない」という、いわゆる保身です。


聞くと情けなくなるような例を二つ紹介します。


N都銀の支店長
ある企業に融資を断わるため訪問した際の断わり文句

「支店としてはやりたかったのですが、本部の承認がおりないもので」「私は精一杯努力したのですが、本部がどうしても駄目だと言うので」

このような言葉を吐くような人には、大銀行の支店トップとしてのプライドはないのかと言いたくなります。

O都銀の課長
ある企業から融資の打診を何回か受けていたのですが、本気で取り組む気配がまったく感じられませんでした。

そこで企業側が取引解消をにおわせて一歩踏み込んだところ、その課長はうろたえて「そういうことを今おっしゃられると、私の管理責任が問われる。ちょっと待ってください」と言ったのでした。


長年大きな組織に身を置いていますと、自分の身を守ろうとする保身の意識が自然と備わってくるものです。

ましてや「顧客のために体を張って」というような意識をもっている人は、きわめて珍しい存在だといえます。

したがって、自社にとって都合のよい、そのような意識を銀行員に期待することは禁物です。


また銀行という大きな組織は、行員の職務権限や責任が厳格に定められている、古い体質の
典型的な
タテ社会です。

その中で働く個々人は、
組織の歯車として機能しています

そして、どの銀行も程度の差はあっても多額の不良債権を抱え、それを処理するために支店の統廃合や行員のリストラ・減給等を実施してきました。

その結果、担当者一人当たりの業務量は一昔前に比べて飛躍的に増加して、過重な労働条件になっているとともに、仕事の内容も質的に変化して、やり甲斐が感じられなくなっています。

したがって行員の大多数は将来に向けて希望が持てず、労働意欲が低下しているのが現状です。


こういった銀行員の組織人、あるいはサラリーマンとしての本質や現状を踏まえ、融資を受ける側の企業として、どう対処していけばよいでしょうか。。

まず一つは、銀行というところは組織を重んじますので、
自社の担当者の顔を立てるべきところは立てるということ、むやみに組織を逸脱しないことです。

その上で担当者では荷が重そうであれば、その上司に話をすることになりますが、何でもかでも担当者を跳び越えて上司へというのは考えものです。

そして担当者は非常に忙しい身なので、なるべく手間ひまをかけないように仕事のアシストをして、こちらの要望を通すようにもっていくのがよいと思います。

二つ目は、銀行の担当者やその上司に、
「この企業のためなら」と思わせることです。

それには担当者の営業ノルマの消化に協力することや、先に述べましたように業務の手助けをすること、そして最後に、業績アップに向け一生懸命頑張る企業の姿勢、迫力を示すことです。

銀行員も人の子です。ふつうの人間であるならば、熱いものを感じ取り、共感が得られるものと確信します。

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Q20 融資能力のある担当者は少ない

A20 銀行の融資担当者の能力面については、次のようなことがいえます。

融資担当者の仕事は、相手方企業と融資条件を詰める折衝業務と、銀行内部で権限者の承認を得るために行なう稟議書作成業務の二つからなっています。

いずれも相当の
知識・経験、それに融資センスが要求されます。

融資担当になって、そこそこの年数が経つ人でも融資業務を充分にこなせない人が中にはいます。

これは融資センスの問題です。根本的にセンスを持ち合わせていない人の場合、経験を積んでも、あるいは研修で鍛えられてもモノになりません。

また稟議書の作成については、ある時期まで全て手作業でやっていました。

一から十まで自分一人でやる職人的要素が多分にあり、けっこう時間がかかるものでしたが、それなりの良さもありました。

すなわち、手作業を通じて財務分析や不動産担保などの仕組み・内容がよく理解できました。

しかし現在では、財務分析はコンピューターがやってくれますし、不動産担保は銀行の関連会社で調査の専任者が実地調査し、調書を作成してくれます。

融資担当者には、出来上がった調書を読みこなす力が求められるのですが、手作業を経験していない分、上っ面の読み込みになりがちです。

さらに銀行の融資関係者全般にいえることですが、融資先企業が属する
業界の知識や取扱製・商品についての知識はきわめて希薄です

しかし変なプライドだけは高いので、顧客の前では適当に相づちを打って、さも色々知っているかのように装います。


以上のような銀行の融資担当者の能力面を考えると、企業サイドとしてどう対処していけばよいでしょうか。

まず一つ目は、
自社についての情報を正しく伝えるということです。特に担当者が交代した場合は必須です。

この情報には、自社が属する業界情報と自社の取扱製・商品情報を含みます。

先に述べましたように、担当者は分かっているようでいて実はよく分かっていません。

二つ目は、
担当者が若年の経験不足だと思われる人の場合、融資申込みをして少し時間をおいてから、銀行内での融資案件の進み具合を問い合わせてチェックしてみることです。

融資業務に手馴れていない人の場合、案件を上手くまとめる力がないため時間ばかりが経過して、一向に進展せず、担当者の手を離れていないケースがよくあります。

場合によっては支店に出向いて、その上司に「この度は、またご無理をお願いしまして ~ 」というようにチェックを入れてみることも必要です。

最後に三つ目は、担当者の対応ぶりに疑問や不安を感じたときは、最悪の場合、事故やトラブルに巻き込まれるケースがあります。

たとえば、融資の承認がおりていないのに「承認されました。OKです」と言ってきたり、先走って借入の契約書を持参したりという場合です。

したがって、
「ちょっとおかしいな」と感じたときは、担当者以外の支店関係者に問い合わせてみる必要があります。

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Q21 自分の方から不利になることは言わない銀行員

A21 銀行員は企業との融資取引において、自行にとって不利になることは自らすすんで申し出ないという習性があります。

企業側が申し出をしてはじめて検討し、その上でやむなしと判断したもののみ応諾するという姿勢です。


具体的に述べますと、銀行の担当者からみて「この会社は資金繰りが苦しそうだな」と思われる取引先企業があったとします。

しかし、その銀行担当者の方から「返済方法を少し緩くしましょうか。そうすれば、資金繰りがいくらかでも楽になるでしょう」というようなことは、決して言い出すことはありません。

銀行員の本音としましては、「資金繰りが苦しそうだけど、無理してでも今の返済を続けてもらえば、それだけ早く返済がすすむことになる」というものがあります。

もう一つ金利についてですが、変動金利型の契約をしてあるものは別にして、金利の低下局面で銀行の方から積極的に「御社の金利を引き下げましょう」と言ってくることはまずありません。

企業の方から金利を下げてほしいとの申し出があって、はじめて対応(引き下げるかどうか検討すること)します。

一方、金利の上昇局面においては全く逆の対応で、全取引先にもれなく引上げ交渉を行ないます。

ある面フェアーじゃない、いやらしいと思われるかもしれませんが、銀行にこういった習性があるのは事実です。


それでは企業サイドとしましては、こういった銀行の習性にどう対応していけばよいのでしょうか。

まず、
やせ我慢や見栄を張らずに、希望する条件があれば率直に銀行に申し出ることです

短期的には銀行の利益と相反することになるかもしれませんが、銀行がその企業を大事な取引先と認識しているのであれば、妥協点を見出すべく協議にのってきます。

黙っていては、
銀行の方で気を利かして自社のプラスになることをしてくれることはありません

が一つ例外を思い出しました。

銀行勤務時代のことですが、ある取引先が社長の見栄で預金を多額積んでいたのですが、借入金もかなり膨らんできて、返済にアップアップの状況でした。

これを見かねた当時の支店長が、自身の判断で預金と貸金の一部相殺を提案し、実行に移しました、

取引先の社長にしてみますと、自分の方から言い出せなかったことを逆提案で実行してもらい、支払金利負担が軽くなった上に、返済も楽になって感謝感激でした。

銀行員の中には、ごく稀にこういう人もいるということですが、大多数は先に述べたとおりです。

くれぐれもご留意ください。

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Q22 多弁な経営者と印象に残らない提出(報告)書類

A22  私が銀行員の現役であった頃、そして現在もコンサルタントとして、企業経営者の方と
 業務に関わる対話をします。

 その際、経営者の方からの話で、話の核心またはポイントの部分が少なく、どうでもよい
 枝葉の部分が非常に多い方が過去にもいらっしゃいましたし、現在もおられます。

 相手にとってはどうでもいいことや、聞きたくもないことを、とうとうと話し続けられるわけです。

 元来がおしゃべり、駄弁な性分なのでしょうが、こと
銀行との交渉といった場面を想定した
  場合、それはマイナス要因でしかありません。


 銀行員は、経営者に質問を投げかけ説明をしてほしいことや、逆に経営者の方からの要望
  事項を聞くといったような、キャッチボールに例えれば、相手がボールを投げ返してくるのを
  待っていて、返ってきたボール(話)が、

  ・核心部分はほんの少しで
  ・自画自賛の話が多く、また長い
  ・たまに有名な政治家の名前を言って、その人と知り合いだと言ったり

 というような状況であれば、それを聞いている銀行員の心理はいかがなものでしょうか?

 経営者の方にすれば、自分や会社のことを「少しでもよく思われたい」、あるいは「すごいなと
 思われたい」一心なのでしょうが、銀行員にしてみれば、非常に聞きづらく、「それがどうした」
 ということになり、だんだんと不快感が高まってきます。

 
自社や自分をアピールすることは大事なことですが、度が過ぎれば、またその方向を
  間違えれば逆効果です。


 こと銀行交渉の場面では、飾りの部分は極力排除し、中味の濃い話ができるように、
  心あたりのある方は意識して自重されるようにお勧めします。


 つぎに、もう一つのテーマである提出(報告)書類についてです。

 融資取引をしていれば、企業から銀行へ

   ・業況の現状や今後の見通し
   ・直近の決算報告や今期・来期の見通し
   ・簡単な事業計画書
   ・経営改善計画書

 といったようなものを、銀行から求められて、あるいは自主的に任意の様式で提出される
  ことが、たまにあろうかと思います。

 そういった書類を銀行員の立場で読んでいきますと、読んだけれど内容がイマイチ頭に
  残らない、内容がスッと抜けていくというような感じの書類があります。

 その原因は何かと考えてみますと、

  ・
自社内部でやりとりされている、外部の人間には意味不明の
   自社固有の業務用の単語がやたら入っている


  ・
耳ざわりのよい抽象的な言葉が多い(例: ~ を徹底する)

 というようなことが言えます。

 銀行への提出書類は、当然のことですが、自社の内部書類とは趣旨が異なります。

 
読み手は、業種的な専門知識や技術面の理解力に乏しい、素人である外部の人間
  =銀行員です。


 こういった人達に、提出した書類を読んでもらって、自社の現状や計画を理解してもらうことが
 目的なのですから、それなりの工夫が必要です。
 
 といっても、難しい、高いレベルの話ではありません。

 
「わかりやすく、具体的、簡潔に」を念頭において書き進められたらよいのです。


 今回のテーマは、銀行に自社の現状や計画をアピールする際の重要な手段である“口頭と
 文字”についてでした。

 腕を上げられるよう、ちょっと気をつけてみてください。



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Q23 銀行の融資取上げにおけるキーマンは誰か?

A23  今回のテーマの結論を言えば、ズバリ「支店長」ということになります。
 
 銀行の支店長は、支店における最高権限者で、もちろん融資においてもしかりです。

 ただ一口に支店長と言っても、そのキャリア、得手・不得手、意欲などによってタイプが
 いろいろと分かれてきます。

 銀行の支店長になるためには、貸付部門の責任者を経験していることが、どの銀行においても
 一つの条件になっていると思いますが、

   ・現場(支店)経験が長い、あるいは本部スタッフの経験が長い
   ・出世欲が強い、あるいは出世欲はほどほどで守りに入っている
   ・酸いも甘いもかみ分けたベテラン、あるいは若手で経験が浅い

 などによって、いろんなタイプの支店長がでてくるわけです。

 そのタイプによって、支店で融資取上げを検討する際、場合によっては陰のキーマンに
 なってくるのが、貸付の責任者である「貸付課長」なのです。


 
 支店長に求められる素養として、
‘攻めと守り’の舵をうまく取っていく‘バランス感覚’があり
 ます。

 その象徴的な、支店現場でよく起こる出来事に、つぎのようなものがあります。

 支店の組織には、
   ・営業課(取引先課) - 顧客折衝をし、営業成績を上げる係
               (融資をどんどんやって、成績を上げたい)

   ・貸付課       - 良質の融資を実行して収益を上げ、また
                不良債権の防止、回収を図る係

 があって、営業課が顧客の要請を受けて融資案件を持ち帰ります。

 そして、支店内部で関係者一同が集まって、その融資案件を取上げる方向で進めるべきか、
 あるいは断わるべきかを検討する「融資事前協議会」を開きます。

 ここで問題になってくるのは、可否のボーダーライン上の案件です。

 営業課は、たいてい「やりたい」とか「やるべきだと思います」といった積極的発言をし、
 貸付課長は逆に「やめておくべきだと思います」とか「断わるべきだと思います」などの
 消極的発言になりがちです。

 このように融資案件の内容によっては、両者がぶつかることは往々にしてあります。

 そこで、最終的に支店長の裁決が求められることになるわけで、支店長としては、その場を
 仕切らなければならないのですが、中には優柔不断で的確な判断が下せない人が、
 上述したいろんなタイプからでてきます。

 要するに、融資にあまり強くない人です。

 こういった、融資判断を的確に下せないタイプの人は、自然と貸付課長を頼るようになります。

 そして、貸付課長が判を押した融資稟議書は、余程のことがないかぎり自分もすんなりと判を
 押します。

 貸付課長に若干の質問などをすることはあっても、融資条件に注文をつけたり、稟議書を
 差し戻すといったようなことはまずしません。
 
 こうなってくると、融資の可否を握る上での重要人物は、
貸付課長だということになってきます。


 読者の皆さんにとっては、取引銀行の支店内部のこういった事情まで深く探る必要はないかも
 しれませんが、少しだけ気にとめられて、結論を申し上げますと、
支店長にも貸付課長にも、
 「この先(自社)は大丈夫だ」と思ってもらえるように、業績向上・財務内容改善に向け努力され
 ることが大事だと思います。

                                                                                   
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